平成18年の冬、その車は就役した。

真っ赤(朱色?)の丸くかわいらしいボディ。
四輪ストラットサスによる高いロードホールディング性能。
ボンネットにややオフセットされて開いたエアスクープと、その下にあるインタークーラー。
そして、その奥には銀色に輝く大きなヘッドカバーと、アイシン製のルーツブロアを特徴とする660ccのエンジンがあった…。


…という訳で、ヴィヴィオです。^^;
「銀色のヘッドカバー」から解るようにDOHCモデルで、ヴィヴィオのイメージリーダーであるRX-Rです。
一連のSSシリーズもDOHCを搭載していますが、うちのはM/T車なんで…。


えーっと、92年の4月にそれまで3代続いた「レックス」の名を捨て、新しいスバルの軽乗用基幹車種として登場したヴィヴィオ。
A型の新型車解説書によれば、
・〔パーソナルミニセダン〕という新しいコンセプトにふさわしい
・若い女性に好感を得られる
・「お洒落な」「かわいい」をイメージする
・小さな車に相応し親しみやすい感覚
・スバルチームの基幹車種として特に覚え易く発音し易い、「ヴィヴィオ(vivio=VIVID【英語で"鮮やかな"を意味する】からの造語)」と命名。

と書かれています。
女性受けを狙ったのはなんとなく解りますが…実際に受けたのはビストロシリーズなのでは?(爆
ちなみに、3代目D型レックス(660cc車)のコンセプトは、「ゆとりのミニセダン」。スバルでは「ミニセダン=丸っこい」イメージなのでしょうか?
ってか、「ミニ〜」が好きですねぇ。プレオはミニワゴンだった気がするし。(笑

まぁ、レックスの後継としてデビューしたヴィヴィオですが、
レックスからの変更点としては、
・安全性の向上(全車にサイドインパクトビーム装備及び、ABS・機械式エアバッグの展開)
・フル装備(エアコン・パワステ・パワーウインドウ)車の拡大展開
・DOHC-S/C車の追加。
こんなところですかね。

レックスでフル装備だったのはAX(CX)-iと、特別仕様車のai-3(5)ぐらいですからね。
しかも、パワステはOP装着で、四駆及びS/Cには装着不可ときていますから…ちょっと辛い部分がありますね。
で、ヴィヴィオでは普及グレードのem以上にはフル装備が奢られ、3ドアexは軽自動車初となるエアバッグ標準装備で展開しました。(他社にもOP設定はあったようですが)
というか、スバル内でも他に標準装備になったのは…2代目レガシィのMC後みたいですから、かなり先取りした展開だったみたいですね。
で、注目のDOHC-S/C(EN07X)搭載のRX-Rが追加され、しかもサファリラリーに出場・見事完走(1台だけですけど…)して知名度が上がりました。
S/Cにももちろんパワーウインド・パワステが装備され、前任車種のレックスVXより快適度も上がりました。^^;
VXも良い車では有るんだけど…パワーウインドがついてればなぁ。


さて、うちのヴィヴィオなんですが、詳細を書くと
平成9年式 スバル・ヴィヴィオ RX-R・4WD(E−KK4E38R/KXC)
プロミネンスレッド 4センサー2チャネルABS(メーカーOP)装着車
変速機形式:前進5段・後退1段 手動変速機
駆動方式:フルタイム式4WD
原動機形式:EN07X(4気筒・DOHC16バルブ、電子制御マルチポイントインジェクション[EMPi] )
乗車定員:4名
車体の形状区分:3ドアハッチバック

という具合です。

で、E型なのでご存知のとおりハイオク仕様に変更されたEgを搭載してますが…良く解りません。
とりあえず、ハイオクを入れている分にはノッキングしないなぁといった印象。
あと、最終型ということもあって機械式エアバッグが標準装備されています。(という訳で、うちのはエアバッグ+ABSの一番いろいろ付いてる仕様になります)

そんなにたくさん出回っていないんじゃないかと思われるE型のRX-Rですが、特徴を挙げてみると…

・ボディサイドのグレードステッカーが変更されている。(へろへろ文字。^^;)
A〜D型まで一貫して同じフォントのステッカーを使ってきましたが、E型でオレンジ色のへろへろしたステッカーに変更。^^;
ついでに、サイドのキャラクターラインの上であった貼り付け位置が、ライン下のスペースに変更されています。

・シートの柄がトラ模様(笑
赤×黒なのでちょっと違うんですが、まぁトラ模様です。^^;
他にトラ模様と言えば…ホンダのビートとかでしょうか。(あれはグレーっぽかった気がする)
これも、A・B型では赤×グレー、C・D型ではピンク(細かいストライプのせいでそう見える?)×黒の組み合わせなので、トラ模様はE型だけです。
(※E型でも、RX-SSは白×黒だった気がするので、S/CではRX-RとGX-Rだけっぽいですが)
ちなみに、E型のバン系のビニールシートもグレー基調のトラ柄です。^^;
あ、RX-RとGX-Rでシート形状が違うのもE型だけなような…。

・インタークーラーがプレオ用みたいな形に。
「後期型インタークーラー」として知られてるものですが、黒塗りで通路が途中で直角に曲がっています。
A型からずっとコアが縦向きだったんですが(途中で仕様変更はされてますけど)、E型で横向きになりました。
で、見た目も「コアにパイプを付けただけ」みたいな安っぽい形になりました。^^;
ただし、冷却性能は優れているようです。(低速トルクは太いように感じました。上はSOHC並みにしか回らないけど。笑)

・ステアリングのチルト機構廃止
とりあえず、E型のRX-Rにはステアリングのチルト調整機構がありません。(全車無かったかも)
どうやらエアバッグ標準装備化に当たっての変更のようですが(コラムシャフトがA型exと共通部品ぽいので)、
D型まで装備されてきたのになんだか悔しい。(レックスにも当たり前のように付いてたんだしねぇ…)

他には、ミラーの大型化、メーター照明の変更(白照明)、クラッチ周りの変更、排気温センサの廃止(97年9月以降の生産車)などの変更があります。

…という訳で、ハイオク対応化して強化されて良い事尽くめに思えるE型のRX-Rですが、
細かい部分を見ると、コストダウンだか何だかで安っぽくもなっている感じです。
(そもそも、C型でミラーとかが無塗装になった上に、D型でリアウインドの開閉機構も廃止されているんだから…A型が立派に見えたりもするわけです。^^;)

で、肝心のインプレッションは…とりあえず、レックスよりは安定している!(当たり前です)
リアサスの形状変更のおかげか、それともフロント側の設計変更のお陰か良く解りませんが、
ドタバタした感じは少ないし、なんとなく安定した印象があります。
ただ…A型用のインタークーラーに交換したからか、低速トルクが足りない印象。
出足では、圧倒的にレックスVX(5M/T・フルタイム4WD)の方が速く感じます。
でも、一旦回ってしまえばヴィヴィオの方が伸びていくので、それで取り返してる印象があります。
(ちなみにE型インタークーラの場合、低速では速く感じますが…上が伸びないので…。5速目ならギア比の分は速いか?)
まぁ、RX-Rでは一番重いと思われる仕様なので、軽めの車両なら違う印象かもしれません。
(実際、元A型のKK3RX-R乗りの人に「それはE型で四駆な上にABS付いてるから悪いんだよ」って言われましたし。^^;)

室内は…パワーウインドのスイッチは使いやすいです。(レックスが変わってるだけだと思いますが…)
VXにもC型ヴィヴィオ用のスイッチでパワーウインド付いてましたが、別に小型じゃなくても使いやすいですね。
ただし、A型のem(最初期)に付いてたスイッチはちょっと使いにくいです。(UP/DOWN共に押すタイプだったから)
でも、最初期のはポジションランプ有るから、夜でも見やすいしなぁ…。

メーターが見難い!
反射照明だから仕方ないんでしょうけど…見やすいと言われるE型の白色メーターですらレックスより劣ります。
レックスは緑色でスポーティでは無いけど…透過照明だったんですよねぇ。
いろんな部分で凝った作りになっていてバブリーだなぁと思えるレックスのメーターですが、お金かかってるだけありました。
メーターはレックスの圧勝!(デザインではヴィヴィオも結構いいんだけどねぇ)

シートが若干小さい?
バケットAと呼ばれるRX-R/GX-Rのシートですが、同じく660VX/Vのレックス用バケットに比べて若干小さい感じがします。
レックスは背中全体を包み込んでいる感じですが、ヴィヴィオのはサイドサポートでいつも挟まれてる感じがします。
と言っても、180cm/85kgのちょっと肥満気味な私の印象ですし、挟まれてると言っても窮屈って程じゃ無いので、むしろサポートが良いって事なんでしょう。
サイドサポートが出っ張ってるハイバックシートの両者ですが、若干ながら座った感じに差が有るということです。
あ、座面の感じではレックスの方が低く感じます。(座面チルト最低位置での比較)
ヴィヴィオ用にはバケットB(GX/M300系列用)の一部にしか座面チルトが付きませんが、その辺も影響してるのかな?

まぁ、レックス乗りとしては気にはなるけど…乗ったらいろいろ悔しかったって感じがする車でした。^^;



うちのRX-Rと、友人に買われていったA型のem。
emは私の趣味でS/Cバンパー化されていますが、フォグが好評だったので良し?
実は集中ドアロックも付いたりして、装備はex並みになっています(笑
現在は三重県で活躍中。(でもパートタイム四駆を使う事って全然無いだろうなぁ…)

戻る