「いつから」

 桜木がオレの前で笑うようになったのは、いつからだろう。

「覚えてるわけねぇよな」
 どーせおめーは、いつから一緒に暮らし始めたのかも覚えてねぇんだろ。
 頷くと、桜木は「ほらな」と言って笑った。

 どあほうと出会ってからの、この約25年間。
 オレは一度も、自分の気持ちを言葉にしたことがない。

 あいつは、分かっているのか知らないけれど。

 何だか幸せそうな桜木がそこにいて、それを見ているオレも幸せだから、
 それで、全部いいような気がした。

2004/12


きまぐれにはなるはな